遠藤憲一、寺島進、大杉漣…連ドラ熟年三羽ガラスの共通点
その「警視庁ゼロ係」に係長役で出ている大杉漣(64)は渋い脇役の代表だ。今クールのドラマはこの1本だが、なんと大杉は3月公開の映画「仮面ライダー1号」で、藤岡弘、が45年ぶりに演じる仮面ライダー(本郷猛)と闘う宿敵ショッカーの幹部・地獄大使を演じるという。09年にも演じた役だが、顔がはっきり露出された黒ずくめの怪人を64歳でやるかよ! って感心してしまう。中高年オタクにはたまらない話題の映画とはいえ、怪人もやっちゃうところが面白い。芸の幅広さはナンバーワンだ。
この3人の共通点は北野武映画に出ていること。寺島、大杉は常連(というか北野映画で名を馳せた)だが、エンケンは「その男、凶暴につき」(1989年)に麻薬の売人役で出ている。単なる偶然か、北野監督の眼力か、今や3人とも代わりはいない個性派。主役が若い女や男でも、ドラマ全体を引き締めているのは“売れ熟年”だ。ドラマ制作者は熟年をもっと使ったほうがいい。中高年視聴者が戻るゾ!
(作家・松野大介)