著者のコラム一覧
三枝孝臣

1966年東京都生まれ。89年に日本テレビに入社、「ZIP!」「スッキリ!!」「シューイチ」など情報番組から、「THE夜もヒッパレ」「DAISUKI!」などバラエティーまで、手掛けた番組は100を超える。2015年に日本テレビを退社。現在、メディアデザイン会社「アブリオ」、LINEの前社長・森川亮氏と共に新事業「C Channel」を立ち上げ、メディアを超えたコンテンツプロデューサーとして活躍。近著に「一流のMC力」(東洋経済新報社)がある。

一本筋が通ったMCが魅力 加藤浩次を支える「4つの要素」

公開日: 更新日:

 声の印象とは裏腹に、ナイーブな一面もあり、新聞各紙をものすごく読み込む勉強熱心なところもありました。そうした人間としての「振れ幅」がギャップ力です。「ギャップ」が大きいほど、お茶の間に受け入れられる魅力になると、僕たちは確信していました。

 また、“巻き込む力”もあります。当時はコメンテーターにテリー伊藤さんと勝谷誠彦さん(共にすでに卒業)がいて、2人の意見が対立することもありました。ここで対立を嫌がって、中途半端にまとめてしまうと歯切れの悪い印象が残りかねません。加藤さんは2人の異なる意見を再確認し、火中の栗をあえて拾って対立を煽りながら、意見を集約できる人でした。ネット社会で何でも簡単に炎上してしまう現代にテリーさん、勝谷さんのように自身の意見をハッキリ表明できる人は稀有な存在です。それを時間の限られた生番組で料理していたのがMCの加藤さんなのです。

 さらに行司役で裁くのではなく、「自分も土俵に上がる勇気」を加藤さんは持っています。自分はどちらの意見に賛成なのか、3児の父として新たな意見を加えるなど、自分の立場を鮮明にします。もしも、自分が間違ってしまったとわかったら、翌日には「昨日はAと言いましたが、Bが正しいと思います」と軌道修正をする潔さもある。

 MCとして一本筋が通っているからこそ、視聴者にこの人は信頼できる人だという印象が伝わり、見ごたえのある情報番組になっていったのです。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2

    野呂佳代が出るドラマに《ハズレなし》?「エンジェルフライト」古沢良太脚本は“家康”より“アネゴ”がハマる

  3. 3

    岡田有希子さん衝撃の死から38年…所属事務所社長が語っていた「日記風ノートに刻まれた真相」

  4. 4

    「アンメット」のせいで医療ドラマを見る目が厳しい? 二宮和也「ブラックペアン2」も《期待外れ》の声が…

  5. 5

    ロッテ佐々木朗希にまさかの「重症説」…抹消から1カ月音沙汰ナシで飛び交うさまざまな声

  1. 6

    【特別対談】南野陽子×松尾潔(3)亡き岡田有希子との思い出、「秋からも、そばにいて」制作秘話

  2. 7

    「鬼」と化しも憎まれない 村井美樹の生真面目なひたむきさ

  3. 8

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 9

    竹内涼真の“元カノ”が本格復帰 2人をつなぐ大物Pの存在が

  5. 10

    松本若菜「西園寺さん」既視感満載でも好評なワケ “フジ月9”目黒蓮と松村北斗《旧ジャニがパパ役》対決の行方