ケンカを売っているのか…国民民主党が参院大阪選挙区に元維新議員の足立康史氏を擁立する狙い
仁義なき戦い──。国民民主党が、夏の参院選の大阪選挙区(改選4)に「日本維新の会」に所属していた足立康史前衆院議員を擁立することがわかった。19日に正式発表するという。
足立前議員は昨年6月、所属していた維新から「執行部を批判した」として6カ月の党員資格停止処分を受け、その後、衆院選への立候補を見送り、政界引退を表明していた。「内ゲバ」の果てに引退に追い込まれたような形だった。よほど腹に据えかねたのか、足立前議員は引退後、月刊誌に「維新 最大の恥部を暴く」というタイトルで寄稿。維新の体質を暴露している。
維新と仲たがいした元所属議員を、維新の地元・大阪で擁立するとは、国民民主は維新にケンカを売るのも同然だ。
しかし、維新の牙城で国民民主は勝てるのか。
「足立前議員は、大阪出身。当選4回。選挙区は衆院大阪9区でした。一定の知名度があるのは間違いありません。ただ、当選は簡単ではないでしょう。参院大阪選挙区は、過去3回とも『維新2、自、公』という結果になっています。やはり、維新は大阪では強い。昨年の衆院選も府内19小選挙区すべてで勝利しています。それでも国民民主が、維新への嫌がらせのように大阪で足立前議員を擁立するのは、玉木代表の『維新嫌い』ということもあるのでしょうが、夏の参院選は、とにかく比例票を稼ぐという戦略があるからでしょう。たとえ選挙区で勝てなくても、話題の候補を立て、注目選挙区になれば国民民主の比例票を増やせると考えているのでしょう」(政界関係者)