そんな時も師匠の存在は大きく、「人生なんて意外と簡単」「間違えてもいいんだよ」「気楽にやんなさい」。事あるごとに優しく諭され、どれだけ心が休まったことか……。
おかみさんにも育てていただきました。私は9歳で母を亡くしていますから、料理や家事はそれほどできなかったんですね。それを言葉遣いを含めて、手取り足取り教えてくださいました。今では掃除を探究するほどです。
落語や人付き合いを教えてくれたのは師匠、私を一人の女性として育ててくださったのはおかみさんです。親以上の存在として感謝の言葉もありません。ずっとずっと長生きしてほしいですね。