この噺家で聴き初め 評論家が厳選「落語界二つ目」成長株

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愛嬌たっぷりの「保守派」

 芸人として、誰からも愛される愛嬌があるなぁといつも思わせてくれるのは、春風亭正太郎(36)だ。17年11月、先輩落語家の柳家喬太郎(54)のお供で、欧州3カ国で落語公演を経験したばかり。

「落語に関しては保守派ですから」と言うように、余計な入れごと(※ギャグのようなもの)をせず、教わったまま落語の骨格をさらに磨きをかけようという本寸法の芸風だ。ネタ数は130席ほど。「寝床」「夢金」「宿屋の富」など。しっかり仕込まれたあとが、高座姿に見て取れる。

 落語の懐を感じさせてくれる人情噺が好きだと言うが、若旦那の奮闘を描いた「唐茄子屋政談」、初代内閣総理大臣の伊藤博文に江戸っ子の噺を聞かせてほしいと要望され、三遊亭円朝がこしらえたという「文七元結」なども、今年からそろそろ挑んでいきたいという。さらに大きな会場で季節ごとの独演会を開催していこうと考えている。楽しみだ。

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