スペースバンパイア(1985年・英国、米国)
約76年周期で地球に接近するハレー彗星を探査中、謎の巨大な柱状の宇宙廃船を発見した英国宇宙船。廃船の中には全裸の巨乳美女と男2人が眠っていて、船長はそれを地球に持ち帰るが……。
巨乳美女の正体は吸精鬼で、精気を吸い取られた人間はゾンビになる。それに気付いた博士が空軍大佐に言った言葉だ。
B級ホラーの鬼才トビー・フーパーは、前作「ポルターガイスト」の演出で、製作のスピルバーグにあれこれ口を出されて参ったらしい。その鬱憤を晴らしたかったのか、建物や街をドッカンバッカンと爆発させ、演出がド派手。怖いというより面白い。細かいなりゆきを省き、展開が早く、“なんでこうなったの”的に映画は進行するが、それでも遊び心満載の演出が力強く、最後までぐいぐい見られるのがいい。
「ティファニーで朝食を」でおなじみのヘンリー・マンシーニのイメージと反する雄々しい音楽でスタートし、脚本は「エイリアン」のダン・オバノンで、「スター・ウォーズ」のジョン・ダイクストラがSFXを担当。これだけのスタッフが集結すれば、B級映画マニアが泣いて喜ぶのは間違いなしだ。