海外映画祭で快挙 舘ひろしが捨てたダンディと過去の栄光
「ハードボイルドは好きだし得意だけど、年を取ったので、走ったりできないから」などと語り、舘ひろし(68)は取材陣の笑いを誘った。
映画「終わった人」での定年を迎えたサラリーマン役でモントリオール世界映画祭の最優秀男優賞を受賞し、その報告のために開かれた記者会見でのこと。
舘といえば、映画「暴力教室」や「野性の証明」での暴走族のリーダーをはじめ、代表作「あぶない刑事」シリーズのダンディーな刑事役など、デビューから四十数年、黒いサングラスをトレードマークに活躍してきた。ところが最近はサングラスはもう卒業とばかり、枯れた男の役で共感を集め、それで再ブレークと評価されているのである。
「特に心境の変化というのはないです」と笑い、会見では語らなかったそうだが、オファーを受けた際の心境をこう語っていたという。
「このまま『かっこいい舘ひろし』を演じ続けていたらかっこ悪いし、気持ち悪いでしょう。ちゃんと自分を見つめてみて、やるべきだと思った」
■ダンディー路線は封印