“加藤の乱”収束…吉本はエージェント契約導入で変わるのか

公開日: 更新日:

「僕は吉本というエージェントを通して吉本の仕事をする。他の仕事は他のエージェントを通してやる。これを大崎(洋)会長はOKしてくれた」

 極楽とんぼの加藤浩次(50)は出演したラジオ番組(10日放送)でそう言った。

 吉本興業で、所属タレントと正式な書面での契約がなかったことが問題視されていた件。8日に経営アドバイザリー委員会を開いた吉本は、今後は6000人の所属タレント全員と「共同確認書」を取り交わすと発表。それをベースに、従来の「専属マネジメント契約」に加え「専属エージェント契約」を導入することを明らかにした。

 加藤は9日放送の「スッキリ」(日本テレビ系)で、制度を自ら考案し、受け入れられたと説明。一連の騒動で「上層部が変わらなかったら吉本を辞める」と拳を振り上げた“加藤の乱”はとりあえず収束した格好だ。

 しかし「専属エージェント契約」とは何なのか。吉本興業によれば、すべてのタレントが「マネジメント契約」か「エージェント契約」のどちらかを選択するというわけではないという。自著「芸能人はなぜ干されるのか?」で、アメリカのエージェンシー制度について詳解しているジャーナリストの星野陽平氏はこう話す。

「アメリカのエージェントは日本の芸能事務所とは全く違います。『タレント・エージェンシー法』という法律があり、その権限は厳密に規定されています。エージェントが行うのは契約したタレントのブッキングだけ。対する日本の芸能事務所はブッキングとマネジメントとプロダクション(制作)業務を幅広く行っています。“エージェントとマネジメントの分離”が徹底されているんです。さらに巨大エージェントのMCAが、テレビ、映画などあらゆるエンターテインメントの制作に乗り出したため、『反トラスト法』により、エージェント業務と制作業務の兼務も禁止されました」

 芸能事務所が巨大な力を持つ日本と違い、タレントが搾取されずに権利を守る仕組みが、法律により厳密に規定されているというのだ。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊川怜の元夫は会社が業績悪化、株価低迷で離婚とダブルで手痛い状況に…資産は400億円もない?

  2. 2

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  3. 3

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  4. 4

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  5. 5

    斎藤元彦知事ヤバい体質また露呈! SNS戦略めぐる公選法違反「釈明の墓穴」…PR会社タダ働きでも消えない買収疑惑

  1. 6

    渡辺裕之さんにふりかかった「老年性うつ」の正体…死因への影響が報じられる

  2. 7

    水卜ちゃんも神田愛花も、小室瑛莉子も…情報番組MC女子アナ次々ダウンの複雑事情

  3. 8

    《小久保、阿部は納得できるのか》DeNA三浦監督の初受賞で球界最高栄誉「正力賞」に疑問噴出

  4. 9

    菊川怜は資産400億円経営者と7年で離婚…女優が成功者の「トロフィーワイフ」を演じきれない理由 夫婦問題評論家が解説

  5. 10

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”