保身からのパクリ横行 落ちるべくして落ちていくTVの傲慢

公開日: 更新日:

 業界の衰退を示す実例で、こういう話がある。

 フジテレビのクイズバラエティーで「超逆境クイズバトル!!99人の壁」というのがある。一般からの参加者100人のうち、選ばれた1人が自分の得意ジャンルで残る99人とクイズ対決するというもの。これは、入社間もない新人社員の企画で、上層部も面白いとすぐに採用しゴーサインを出した。しかしすぐに発覚した。海外の番組「100人の壁」の丸パクリであったのだ。

 若手は知らないとうそぶいたそうだが、パクリを見破れなかった上層部の責任問題になりかねない。そこで、どうしたのか。

 タイトルの100人を1人減らして「99人」にしたのである。

 なんたる安直さ。笑い話だが、これが話題にも問題にもならず、スルーされているところに、フジテレビの凋落ぶりがうかがえる。

 どこまで落ちるのか、関係者も自嘲的に見ている。最後に、TV局で仕事をしている関係者の中にも、テレビは見ないという向きが増えている。私もそのひとりだ。

 (おわり)

▼テレビ業界歴四半世紀、民放各局を股にかけて活躍中の現役放送作家。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド