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桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

世代間の断絶が増す歌謡界に「うたコン」の効用

公開日: 更新日:

 さらに「教科書に載った名曲」として、いきものがかり「ありがとう」や中島みゆき「時代」、コブクロ「桜」のVTRが流れ、、五木のギターで男性陣がSMAPの「夜空ノムコウ」を歌った。「SMAPの」と紹介しなかったのは気になったが、5人の映像が流れていたのは進歩か。

■乃木坂も好感度アップ

 NHKに山ほどあるアーカイブ映像をうまく取り入れ、新旧の歌を橋渡しするやり方はお見事。どうせ今の歌に興味がない人が多いのだから、いっそこのアーカイブ映像だけで歌番組をやればいいのに。

 一番の目玉もそんなアーカイブ活用企画。まもなく亡くなって1年を迎える樹木希林と郷の「林檎殺人事件」。

 これは乃木坂46が踊りで盛り上げ、最後に少しだけ歌う演出だった。中高年以上の中で完全にアウェーの乃木坂も盛り上げ役を担えば好感度も上がる。終わってみれば、ジジババも乃木坂ファンも満足したのではないか。

「うたコン」は生放送がミソ。毎週毎週「紅白」の予行演習をやっているようなもので、歌い手だけでなく、スタッフのスキルアップにも役立つ。NHKは若者向けに「シブヤノオト」という番組をやってTWICEだなんだとやっている。そっちは勝手にという感じ。だれがなんといっても「見上げてごらん夜の星を」はいい。新旧融合の「うたコン」は世代間断絶の歌謡界の宝だ。

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