高橋伴明さん 中2の秋に親の目を盗んで観た成人映画の衝撃

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 僕の映画は「毒」と「薬」だと思っている。うじ虫のように善悪や理性そっちのけで這いずり回る。いまさらながら、今平さんの「昆虫記」での衝撃がボクシングのボディーブローのように効いて、体の奥深くに染みついているのが分かります。

 (聞き手=長昭彦/日刊ゲンダイ)

■にっぽん昆虫記
 1963年11月公開。映倫により、当時「成人映画」の指定を受けた。東北の貧しい農村に生まれ、やがて東京で売春宿の女将となる女と、その母・娘の3代にわたる女たちの昆虫のような生命力に満ちた半生を描いた今村昌平監督の代表作。主演の左幸子は、ベルリン国際映画祭で日本人初の主演女優賞を受賞した。

▽たかはし・ばんめい 1949年、奈良県生まれ。日本自動車整備振興会の父と華道家の母の長男で、弟が1人。「TATTOO<刺青>あり」「BOX~袴田事件 命とは~」「赤い玉、」など100本近い作品がある。在宅医療のスペシャリスト長尾和宏医師の著書「痛くない死に方」を同タイトルで映画化した新作が2020年夏に公開予定。妻で女優の高橋惠子との間に長男長女がいて、孫5人がいる。

【連載】私の人生を変えた一本の映画

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