宮迫博之の救済に見る明石家さんまの「三方一両得」思考
それをわかった上で、彼は10分ほども僕の質問に答え、「もう、ええな?」とスタジオに向かったものだ。
何が「三方一両得」かというと、僕たちは取材に過不足なく答えてもらってOK。さんまはきちんと事情説明できて間違いを正せた。さらに、ラジオ番組では「いやぁ、大変な目におうたんや。局の玄関でテレビの取材につかまって、えらいこっちゃ」と、自分の“遅刻”が不可抗力であるとして正当化できた。
また、10分しかインタビューに答えていないのに、それをラジオで20分以上も面白おかしく話してリスナーを盛り上げていた。三者とも“お得”だったわけだ。
今回の宮迫を囲む会もこの哲学が生きている。
宮迫から連絡があって単独で会うことになれば、当然、その内容は復帰の相談であり、さんまは構えて行かなくてはならないが、多くの業界人がいるのなら気楽に相談に乗ることができる。
一方、宮迫はボランティア活動程度しか話題に上らなかった。多くの業界人に会えば、中には手を差し伸べてくれる人もできて“光が見える”ことになる。「今度、メシでも……」とも言いやすくなる。