なぜ人気?興収4億円超の映画「すみっコぐらし」実況中継

公開日: 更新日:

“レ・ミゼ超え”の切ないストーリーに思わずホロリの声

 キャラ萌えや人気タレントの声だけがヒットの要因ならば、ファミリー向けの良作止まりが関の山だろう。だが、特筆すべきは別にある。ストーリーの奥深さだ。

 居場所を探すひとりぼっちのひよこと、すみっコたちの冒険というストーリーは、劇中に出てくる「じぶんさがし」という言葉が象徴するように、大人の目で見るとそこに「他者からの承認」や「自己実現」といったテーマが見えてくる。そして、その物語はただ明るく楽しいだけではなく、辛く切ない現実も含まれているのだ。

 そもそも、すみっコという存在自体、食べてもらえなかったとんかつの切れ端やエビフライの尻尾、カタツムリのふりをしているナメクジなど、少なからず負の要素も抱えている。「こうなりたかった(けど、こうなれない)」そんなすみっコたちとひよこの姿は、現代を生きる大人にとって少なからず自分と重なるところもあるのではないだろうか。

 最初はそれこそペットや子供を見守るようなテンションだった観客の大人たちも、徐々に真剣になっていくのが肌で感じられるようだった。上映後に目を赤くして帰っていく人もチラホラと見られ、記者の後ろにいた女性も「レ・ミゼラブルより泣けた」と同行者に称賛しているのが印象的だった。

 まったくもって、隅に置けない一作。仕事に私生活に頑張る大人こそ劇場で観る価値は、ある。

(取材・文=キタハラセイヤ)

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    大谷の今季投手復帰に暗雲か…ドジャース指揮官が本音ポロリ「我々は彼がDHしかできなくてもいい球団」

  3. 3

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  4. 4

    フジ反町理氏ハラスメントが永田町に飛び火!取締役退任も政治家の事務所回るツラの皮と魂胆

  5. 5

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  1. 6

    “下半身醜聞”川﨑春花の「復帰戦」にスポンサーはノーサンキュー? 開幕からナゾの4大会連続欠場

  2. 7

    フジテレビ「中居正広氏に巨額賠償請求」あるか? 「守秘義務解除拒否」でウソ露呈

  3. 8

    今田美桜「あんぱん」に潜む危険な兆候…「花咲舞が黙ってない」の苦い教訓は生かされるか?

  4. 9

    Kōki,『女神降臨』大苦戦も“演技”は好評! 静香ママの戦略ミスは「女優でデビューさせなかった」こと

  5. 10

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ