東出昌大は「帰宅拒否症」だった“理想の夫婦”の哀しい現実
■家庭の主導権は杏が握っていた
家庭生活で完全にイニシアチブを握ったのは、役者としてキャリアが上で、しっかり者の杏。夫婦が役者を続けていくために、育児と家事をきっちり分担することを東出に提案したという。この頃には家族5人で買い物に行く姿が女性誌に報じられたり、テレビのバラエティー番組で3人の子供たちの効率的な入浴方法が紹介されて若い主婦たちの話題になったりもした。これが東出が“イクメン”と呼ばれるきっかけにもなったわけだが、理想の夫を演じ続ける中で彼の心の中に少しずつ“見えないストレス”が蓄積されていったようだ。
筆者の耳にそんな東出の苦悩を彷彿させる情報が飛び込んできたのは、彼が出演し18年に好視聴率を記録した連ドラ「コンフィデンスマンJP」(フジテレビ系)の収録を追跡している時だった。長澤まさみ主演のこのドラマを取材しているとき、偶然共演者の口から耳にしたのは「東出さんは自宅に帰るのを嫌がっているんだよね」という意外な言葉だった。一瞬、「イクメンが帰宅拒否症?」と頭の中が混乱した。