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二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

木村一八の暴行事件で自宅を訪ね…横山やすしと持久戦に

公開日: 更新日:

 大阪の自宅で謹慎生活を送っていたやっさん。「本当におとなしくしているのか」という声も流れるなか、別な注目もあった。一八との面談や手紙の内容、出所の時期……。

■木村一八の暴行事件で自宅を訪ねたが…

 数カ月経った頃、以前から交流のあった私は、やっさんの自宅を訪ねた。

 大阪の中心地から離れた摂津市の住宅街の庶民的な2階建ての一軒家。

「ここは裏が川。俺のボート(競艇用)を係留することができるのや」と自慢のボートを見せてもらったこともあった。

「朝早く来い」と言われ、大阪に前泊。朝9時ごろ家に伺うと自ら玄関を開け、「おう」と片手を上げるいつもの挨拶。「近くの喫茶店に行こう」と即座に飛び出した。引き留める嫁に「取材や。すぐ帰る」の言葉を残し、ラフな格好ながらトレードマークの帽子は忘れない。がに股で早歩き。すこぶる元気そう。5分ほど歩いて喫茶店に入った。

 お客はモーニングのコーヒーとトーストで新聞を読む昭和の光景があった。私も「コーヒー」と注文した瞬間、「いらん、そんなもん。ビールや」といきなりビールを注文。「おまえも飲め」と朝から喫茶店でビールを飲むことになった。それでも取材ができればと思い一緒に飲むが、話はボートのことばかり。時々、相方の西川きよしら芸人仲間の話。核心の話を聞けない。

「ところで、一八さんは」と聞く。「そんなこと、ここで聞くな!」と一喝される。嫌な予感が頭をよぎるが、こうなれば持久戦だ。とことん付き合って話を聞き出す覚悟を決めたが、それは長~い一日の始まりに過ぎなかった。 (つづく)

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