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二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

美空ひばりさん逝去 同業者のポケベルが一斉に鳴った深夜

公開日: 更新日:

 元号が「昭和」から「平成」に変わった1989年の6月24日、歌手・美空ひばりさんが亡くなった(享年52)。

 その夜のことは鮮明に覚えている。私は新宿の靖国通り沿いにある小料理屋の2階のお座敷を貸し切りにし、宴会をしていた。

 6月4日に中国で起きた「天安門事件」の現地取材に行っていた各写真誌のカメラマンが呉越同舟しての慰労会だった。

 三々五々集まった8人ほどの宴。酒を酌み交わしながら語り合う姿はまさに戦友。

 取材のエピソードは尽きず大いに盛り上がった。話が佳境に入ってくると血気盛んなライバル同士だけに次第にエキサイト。殴り合い寸前になることもあったが、有意義な時間を過ごし、そろそろ「お開き」にしようと思った矢先だった。

 当時、全員持たされていたポケベルが間髪を入れずに鳴り響いた。夜中に同業者のポケベルが一斉に鳴る。「なにか大きな事件があった」ことは容易に察しがついた。

「美空ひばりさんが亡くなった(午前0時28分)」の一報だった。

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