著者のコラム一覧
てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

「じゃない方」をバネに磨いた麒麟・川島の絶品コメント

公開日: 更新日:

 この状況をなんとかしなければならない。川島はピンネタライブを始め、これまで麒麟ではできなかったことを模索した。すると、10年の「R―1ぐらんぷり」(フジテレビ)で決勝進出。そこから「アメトーーク!」などに呼ばれ始めた。

 その翌年に出演した同番組の「第11回持ち込み企画プレゼン大会」が大きな転機となった。考え抜いた渾身の2つの企画をプレゼン。それが視聴者投票で1、2位を独占したのだ。

 こうした芸人にとって“大勝負”の番組に出演するときは「背負ってるバズーカーの数ハンパないですよね?」と言うオードリー若林に、川島は「めちゃくちゃ手榴弾入れてるし。ナイフ入れてるし。絶対殺したろと思ってるから」と同意する(テレビ東京「あちこちオードリー~春日の店あいてますよ?~」20年7月28日)。

 その後、彼の全方位な能力の高さと上品さ故、「便利屋」のように重宝されるようになった。だが、彼が“手榴弾”を仕込んでいるのを「ゴッドタン」(テレビ東京)のスタッフは見逃さなかった。ゴリゴリのお笑い企画の主役として同番組に呼ばれたのを機に、他の番組でも彼の上品さの奥に潜んでいた過激なお笑い力を発揮できるようになった。

 絶えず武器を磨き続けたからこそ、早さとうまさを兼ね備えた絶品のコメントを出し続けることができるのだ。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    「アッコにおまかせ!」存続危機 都知事選ミスリードで大炎上…和田アキ子には“75歳の壁”が

  2. 2

    都知事選敗北の蓮舫氏が苦しい胸中を吐露 「水に落ちた犬は打て」とばかり叩くテレビ報道の醜悪

  3. 3

    石丸伸二氏に若者支持も「上司にしたくない?」…妻や同級生の応援目立った安野貴博氏との違い

  4. 4

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  5. 5

    日テレ都知事選中継が大炎上! 古市憲寿氏が石丸伸二氏とのやり取り酷評されSNSでヤリ玉に

  1. 6

    松本人志の“不気味な沈黙”…告発女性が「被害受けた認識ない」有利な報道に浮かれないワケ

  2. 7

    石丸伸二氏は都知事選2位と大健闘も…投票締め切り後メディアに見せた“ブチギレ本性”の一端

  3. 8

    東山紀之はタレント復帰どころじゃない…「サンデーLIVE‼」9月終了でテレビ界に居場所なし

  4. 9

    安藤美姫が“不適切キャラ”発揮ならメディアは大歓迎? 「16歳教え子とデート報道」で気になる今後

  5. 10

    「アンメット」のせいで医療ドラマを見る目が厳しい? 二宮和也「ブラックペアン2」も《期待外れ》の声が…

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    都知事選2位の石丸伸二氏に熱狂する若者たちの姿。学ばないなあ、我々は…

  2. 2

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    竹内涼真“完全復活”の裏に元カノ吉谷彩子の幸せな新婚生活…「ブラックペアン2」でも存在感

  5. 5

    竹内涼真の“元カノ”が本格復帰 2人をつなぐ大物Pの存在が

  1. 6

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  2. 7

    二宮和也&山田涼介「身長活かした演技」大好評…その一方で木村拓哉“サバ読み疑惑”再燃

  3. 8

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  4. 9

    小池都知事が3選早々まさかの「失職」危機…元側近・若狭勝弁護士が指摘する“刑事責任”とは

  5. 10

    岩永洋昭の「純烈」脱退は苛烈スケジュールにあり “不仲”ではないと言い切れる