著者のコラム一覧
二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

赤塚不二夫編<9>鬼籍に入る直前に縁が深い3人が次々と…

公開日: 更新日:

 2002年、脳内出血で東京・文京区の順天堂医院に再入院した赤塚不二夫氏(2008年8月2日逝去・享年72)。結果的に最後の入院生活となったが、長きにわたる闘病生活の中では不思議な出来事があった。

 元気なころから「人を引きつける人間的な魅力を持った人」と言われていたが、入院でも似たような現象があった。入院生活の多い赤塚氏はよく「ねえ、順天堂は看護婦も奇麗。食事もおいしい。みんなも入院しなよ」と入院の勧めを言っていた。「そんなの無理」なはずが現実となった。赤塚門下四天王の1人で晩年まで先生と付き合いを続けていたあだち勉氏(本名・安達勉。弟は「タッチ」の作者・あだち充氏)が本当に入院してしまった。胃がんだった。

 病棟は違っていたが、私は行くたびにお見舞いのハシゴ。「先生と一緒に退院してください」と言うとOKサインをくれたが、闘病の甲斐なくあだち氏は2004年に逝去。56歳の若さだった。

 悲劇はさらに続く。赤塚氏の意識は回復せず、真知子夫人は完全に泊まり込み態勢で懸命に看病を続けていた。先生の枕元にカセットを置き、一日中、「天才バカボン」のテーマソングをかけ、手や足の指を懸命にもむ。なにかのきっかけで回復の兆しが見えるかもしれない。少ない可能性に懸けていたのだ。ある時、「昨日、先生が寝ながら手を動かすのよ。その手を見ていたらバカボンを描いているのよ。はっきりと」と涙を流して喜んでいたこともあった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末