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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

子供のおかげでナイナイ矢部は「芸人らしさ」を改められた

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 一般的には岡村の方が笑いに前のめりで、矢部は笑いにニュートラルで一歩引いたイメージがあるが、「逆かもしれない」と証言するのは、2人と長年ラジオを共にする構成作家の小西マサテルだ。プロデューサー的に俯瞰で見ながら「何があっても笑いでなんとかしようという感覚が働くっていうのはむしろ矢部」だと。

「なんといっても、矢部くんの当時のメールアドレスが『tsukkomi@~』ですから(笑)」(とうこう・あい「QJWeb」2021年1月28日)

 高校を卒業するまでは「人間」だったという矢部だが、芸人になってからは無理をして「芸人」であろうとした。

「『芸人とは』っていうキャラづけとして、多少は女遊びしとかなとか、朝まで飲まなとか、そういう思いがあった」(「QJWeb」20年10月10日)と。それは存在そのものが「芸人」だった相方・岡村に対するコンプレックスからだったのかもしれない。

 よく子供ができると、芸人は芸風が変わってしまうなどとネガティブな文脈で語られることが多い。それを矢部は隠そうとしない。「完全にお笑いのことは1回考えなくなった」(同前)とまで明かす。それでも「焦らなかったんですよね。『俺、今人間なんや』と思って」(同前)と。

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