著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

麒麟・田村裕の“テンパり具合”が「コント55号」に重なる

公開日: 更新日:

■「僕は宇宙人だから…」

「麒麟」のネタにも台本を超えた共通項があるような……。聡明な川島君が作るネタなので、元の台本にないように見える部分も実は計算された台本なのかもしれませんが、劇場サイズの15分ネタの「麒麟」には同じものを感じます。とても予定調和の演技とは思えない、時として目が点になって言葉に詰まり、固まってしまう田村君のテンパリ具合が「55号」と重なるのです。

 萩本さんといえば、私は一度もお目にかかったことはありませんが、40年以上前、病気療養中の10代の時に「PHP」という雑誌の「200字コラム」という欄に「僕は宇宙人」というコラムを書かれていました。

 超売れっ子として多忙を極めていた萩本さんは、原稿の締め切りに間に合いそうにない時「僕は宇宙人だから必ず間に合う、作ることができる」と自分に言い聞かせていたという内容でした。後年、まさかいまの仕事に就くとは想像もしていませんでしたが、大ファンだった萩本さんのこの言葉をずっと覚えていました。最初に読んだ時には「僕は宇宙人だから必ず元気になる」と言い聞かせ、締め切りに追われるようになってからは文字通り「僕は宇宙人だから必ず書けるんだ」と今でも言い聞かせています。この思いは性別、年齢、職種を超えていろいろな場面で使えるのではないでしょうか。

 話があらぬ方向に飛んでしまいましたが、川島君は帯番組のMC、田村君はバスケットの「Bリーグ」のリポーターとして全国を駆け回っていますが、ぜひ舞台に立ち続けて、これからもコンビとして麒麟のどこまでが決められたネタなのかわからない楽しい漫才を見せてほしいと思います。

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