著者のコラム一覧
二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

藤島メリー泰子さんは「アイドルがいかにスキャンダルに弱いか」を熟知していた

公開日: 更新日:

「私はタレントを守るためなら、いくらでも悪人になります」

 今月14日に死去したジャニーズ事務所の名誉会長・藤島メリー泰子さん(享年93)の言葉を東山紀之が紹介した。長きにわたり、“悪人”になったメリー氏と対峙してきたのがメディアだった。

 事務所草創期、メリー氏はいつも現場にいた。テレビ局前でタレントを直撃すれば、メリー氏が脱兎のごとく前に出てきた。「取材ルールを守りなさい」と追い返された。こわもての男性マネジャーは珍しくないが、メリー氏の眼力と強い言葉は男勝りの迫力があった。以後、スキャンダル取材の前には常にメリー氏の見えない盾が立ちはだかった。「守るためには手段を選ばず」と言われた剛腕でもあった。

「その話を記事にするなら、今後うちのすべてのタレントの会見に入れません」という“手法”をメリー氏は確立した。理不尽な要請に当初は抵抗していた多くのメディアも「1人の話ですべての取材ができなくなるリスクは大きい」と屈していった。

 テレビ局も「スキャンダルを扱えば、『すべての番組からうちのタレントを引き揚げる』という天の声が下りてくると伝えられている」と話す。これが後に公正取引委員会がジャニーズに注意したテレビ局への圧力につながった。「売れっ子タレントをつくり続けたからできたこと」(芸能関係者)といわれるが、これほどスキャンダルに神経質になったのも、アイドルがいかにスキャンダルに弱いかをよく知っていたからだ。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    石丸伸二ブーム終焉の兆し…「そこまで言って委員会」で泉房穂氏の舌鋒にフリーズし“中身ナシ”露呈

  2. 2

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  3. 3

    吉村大阪府知事と「羽鳥慎一モーニングショー」で因縁の対決 玉川徹氏は終始冷静で大人だった

  4. 4

    日本ハム清宮幸太郎またまた開幕前に故障のナゼ…貪欲さは向上も決定的に「足りない」もの

  5. 5

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  1. 6

    メッキ剥がれた石丸旋風…「女こども」発言に批判殺到!選挙中に実像を封印した大手メディアの罪

  2. 7

    日本ハム清宮幸太郎と野村佑希は「トレード移籍」へ正念場…現場の指導力や起用方針にも問題か

  3. 8

    イメージ悪化を招いた“強奪補強”…「悪い町田をやっつける」構図に敵将が公然批判でトドメ

  4. 9

    「あの無口な少年が…」佐野海舟の下半身醜聞に母校関係者は絶句、その意外すぎる評判

  5. 10

    水川あさみ「笑うマトリョーシカ」で注目のイケオジ俳優とは “嫌な男”役から《カッコいい》へ評価一変