別な形でメリー氏の顔を知る機会があった。あるスキャンダル取材を巡り、人の仲介で「ジャニーズの顧問」というK氏と会った。大きな団体の代表だった初老の紳士は眼光鋭いこわもてだったが対応は紳士的だった。「記事について」という趣旨の申し出だった。丁寧に説明すると理解してくれた。逆に気になったメリー氏との関係を聞いた。
「俺が若い頃、食えなくて路頭に迷ってる時代にメリー氏がずっと面倒を見てくれた。それがなければ俺の今はない。恩義を一生かけて返すだけ」
男社会の中、生き抜いた女性経営者の確かな足跡があった。