著者のコラム一覧
細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

沢村忠の華々しい経歴に女性ファンも熱狂、ついに山口洋子の作詞で歌手デビュー

公開日: 更新日:

《四十一年春のことだった。日大の芸術科を卒業ま近の沢村は、夢で胸をいっぱいにふくらませていた。俳優への夢であった。在学中すでに大映と契約をし、テレビドラマなどに出演していた沢村は、いよいよこれから本格的にタレントへの道を踏み出そうとしていた。そんな矢先に友人がある男と会わないかと話を持ちかけてきた。ボクシング界の名門、野口ジムの御曹子野口修である》

「週刊平凡」(1969年1月30日号)では「若い女性をシビレさす 沢村忠の肉体の秘密」というやや扇情的なタイトルの特集を組んでいる。

《日大芸術学部を卒業し、いちじは芸能界入りした沢村だが、映画でもテレビでも端役ばかり。このタレント生活のあい間に先祖代々白羽家に伝承されてきた唐手(空手と区別されている)の剛柔流のワザをみがいてきた。(略)彼の趣味が変わっている。シナリオの執筆だ。将来は「自作のシナリオ、主演、演出で、テレビの制作をやる」のが夢。キック・ボクシングは、それまでの資金かせぎというところか……》

「大学入学と同時に俳優を辞めた」「大学入学と同時に俳優活動を本格的にスタートさせた」「卒業してから芸能界入りした」とそれぞれ記述と解釈は異なるが、いずれも俳優だった前歴を殊更大きく取り上げている。初期の沢村人気の要因として「元俳優」という華々しい過去も加味されていたと見ていいのかもしれない。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊川怜の元夫は会社が業績悪化、株価低迷で離婚とダブルで手痛い状況に…資産は400億円もない?

  2. 2

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  3. 3

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  4. 4

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  5. 5

    斎藤元彦知事ヤバい体質また露呈! SNS戦略めぐる公選法違反「釈明の墓穴」…PR会社タダ働きでも消えない買収疑惑

  1. 6

    渡辺裕之さんにふりかかった「老年性うつ」の正体…死因への影響が報じられる

  2. 7

    水卜ちゃんも神田愛花も、小室瑛莉子も…情報番組MC女子アナ次々ダウンの複雑事情

  3. 8

    《小久保、阿部は納得できるのか》DeNA三浦監督の初受賞で球界最高栄誉「正力賞」に疑問噴出

  4. 9

    菊川怜は資産400億円経営者と7年で離婚…女優が成功者の「トロフィーワイフ」を演じきれない理由 夫婦問題評論家が解説

  5. 10

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”