飯野矢住代誕生秘話<8>大学生の恋人の存在も隠さず 事務所も「姫」も公認
女優・モデルとして活躍しながら、「姫」のホステスとして高給を稼いでいた飯野矢住代に、大学生の恋人がいることは周知の事実だった。矢住代本人も取り立てて隠そうとはせず、周囲にもその存在を打ち明けている。
「女性自身」(1968年9月2日号)は「東西ハレンチカップル」なる特集ページを組んだ。その際、「マイク真木と前田美波里」「ブリジット・バルドーとルイギ・リッチ」「アラン・ドロンとロミー・シュナイダー」といったそうそうたる顔触れとともに「飯野矢住代・S(※記事では実名)」を紹介している。ミス・ユニバース世界大会から帰国、ジャニーズ事務所と契約し、「姫」で働き始めた時期と重なる。常識的に考えて、恋人の存在は隠しておきたいはずなのだが、写真を見る限り、そんな空気はみじんもない。「奔放」と言ってしまえばそれまでだが、はたして、それだけだったのだろうか。戦前、宝塚歌劇の文芸部から「婦人画報」編集長を経て、戦後は日劇ミュージックホールのプロデューサーをつとめた丸尾長顕のコメントもある。
「彼女の若さをとがめる古い世代の人のほうが動脈硬化してるんですよ。お母さんにお金をいれないなんていうけど、それは今までの母親の育て方への反動じゃないかな。S君というボーイフレンドも、学生で、いい家庭の育ちらしいじゃありませんか。あたたかく見守ってやってほしいな」