NHK大河ドラマに“ジャニーズ依存”の弊害…岡田准一&松本潤「どうする家康」で共演の波紋
「このままでは大変なことになる。音楽番組に続いて、ドラマも“J”(ジャニーズ)に占拠されてしまう……。そうなったら終わりの始まりですよ」
声を落とすのはNHKでドラマを制作する若手ディレクターの一人。2023年に放送される松本潤(38)主演の大河ドラマ「どうする家康」で発表された追加キャストが局内に大きな波風を立てている。
家康の正室・瀬名役に有村架純、豊臣秀吉役をムロツヨシ、武田信玄役を阿部寛、今川義元役を野村萬斎ら主役級がズラリと名を連ねたが、いろいろな意味で脚光を浴びたのが織田信長役。なんと同じジャニーズ事務所の岡田准一(41)の起用が発表されたからだ。
振り返ってみれば「琉球の風」(1993年)の東山紀之、「新選組!」(2004年)の香取慎吾、「義経」(05年)の滝沢秀明、そして「軍師官兵衛」(14年)の岡田准一らが主役を演じていたが、今回のようにジャニーズ主役級のタレントが2人揃って出演することは一度もなかった。
「前代未聞です。岡田を起用することで松本の『どうする家康』を何とか成功させたい気持ちは分かるが、あまりにも露骨過ぎてその裏事情を勘繰りたくなりますね」(前出のディレクター)
肖像権に厳しく、他の俳優も敬遠
そもそも、NHKの若手スタッフ陣がジャニーズタレントの起用を警戒する理由はさまざまな制約=Jルールにがんじがらめにされるからだと言う。
「番宣やPRなどで出演するジャニーズタレントの宣材写真を簡単に使用できない。海外などの展開も難しい。とにかく普段から肖像権管理が厳しいため、一筋縄ではいかず、面倒くさいんです」(前出のディレクター)
究極の弊害はドラマのクオリティーへの影響だという。
「『どうする家康』にはジャニーズのKis-My-Ft2やSexy Zone、なにわ男子などの若手タレントらが“徳川家臣団”の一員として総出演すると取り沙汰されている。もう一つは大河ドラマを主戦場にしてきたガチの俳優は“J案件”を敬遠する傾向が強い。収録スケジュールがジャニーズに左右されるばかりか、ロケ予定がスタジオ収録ものになってしまい一気にドラマのクオリティーが落ちてしまうんです。結果的に“J御用達”俳優しか残らなくなる」(前出のディレクター)
その一方、来年放送される小栗旬主演の「鎌倉殿の13人」は、「バーター案件は基本、あり得ません。出演者に関しては皆、内々にオーディションを経て出演が決まった俳優陣ばかりだからです」(別のNHK関係者)。
NHK紅白歌合戦でも、毎年、囁かれる重度のジャニーズ依存。気が付けば抜け出せなくなっていないだろうか。