トランプ大統領「日本でアメ車が売れない」ボヤきのデジャビュ…非課税障壁でっち上げ“市場開放”要求のお門違い
「日本では我々の車が売れない」──。7日に行われた石破首相との電話会談後、トランプ米大統領はそうボヤいた。
求めたのは日本市場の開放。日本では車検や安全基準が非関税障壁となってアメリカ車が売れない、という理屈だ。
実際、アメ車の販売は振るわない。日本自動車輸入組合によると、昨年の外国車(乗用車)の新規登録台数は約23万台。トップ3はベンツ(5.3万台)、BMW(3.6万台)、フォルクスワーゲン(2.5万台)とドイツ車が並ぶ。
ただ、アメ車の販売不振は非関税障壁のせいではない。経済ジャーナリストの井上学氏が言う。
「そもそも、米自動車メーカーが日本市場を重視しておらず、従って日本向けの車をつくる必要性も大して感じていません。もちろん日本でも十分に売れそうなアメリカ車はあるのですが、米国内の市場で売れるため輸出する余裕がない。一方、ドイツ車が人気なのは、自社のディーラーをつくって日本での販売戦略に注力した結果。トランプ氏の理屈は的外れです」