<115>「アプリコ」閉鎖、従業員たちは給料1カ月分の上乗せで解雇された
田辺市内にある野崎幸助さん所有の不動産をチェックしてみた。鉄筋コンクリート造りの賃貸マンションなどが数棟あり、これらは「ピロポ」マンションと名付けられている。それを見にいった私はニヤリとしてしまった。
従業員たちは誰も「ピロポ」の意味を知らず、多分、社長は東京からはるかに離れた紀州の田辺の地でニンマリしていたのではなかろうか。
ピロポとは六本木の瀬里奈グループが持つ高級クラブの店名だ。現在は銀座に移動して「ニュー・ピロポ」として営業をしているが、そこから名前が付けられていたのだ。社長の古くからの友人が言う。
「社長はピロポが大好きで、このお店の若くて清純そうなホステスがお気に入りだったんです」
紀州の田辺に「ピロポ」と名付けられた建物が多くあるとは、ピロポのホステスさんたちもビックリのことだろう。ちなみに「アプリコ」が入っている4階建ての自社ビルも名目上は「ピロポ・ビル」となっている。
そのほかにも重厚な日本家屋が売りに出されていた。これらの資産の計算もまだまだされていないし、和歌山県内にも数多く所有しているのだ。田辺市の隣町の中古住宅には、かつて社長の会社のイメージガールだった西川峰子(現・仁支川峰子)さんの写真入りの看板も置かれていた。