史上最低視聴率のNHK「紅白歌合戦」と熱海の共通点…中高年に配慮しつつ変革を
長く紅白を見ている高齢者にとっては「石川さゆりの『津軽海峡・冬景色』を聴くと一年が終わる」と愛されている側面もある。演歌歌手に無理を強いてもらっているのが紅白の現状だ。ベテランと若手の入れ替えに伴う痛みは視聴率の下落となって表れる。
熱海の成功の要素には立地条件がある。車でなくても新幹線で来ることができて日帰りも可能だ。車離れが進む若者世代にとって、これほど交通の便のいい温泉地は他にない。
紅白も通常の立地条件ならぬ放送日条件がいい。通常の時間ではなく大晦日の夜。家で過ごす人は変わらず多い。テレビを見る習慣も身についている。日常よりも見る条件は揃っている。紅白に対抗すべく一時は格闘技やお笑い番組など「打倒紅白」を旗印に力を入れていた民放も、最近は諦めて力が抜けているように見える。近い将来、数字は下がっても若者中心の番組として安定するか。熱海のように再び「紅白」が注目されるのも夢ではない。