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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

「〇〇じゃねーよ」に近藤春菜が刻み込む最大限の感謝とリスペクト

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 そこから徐々にいろいろな番組に呼ばれ、そのうちに亀井静香からマイケル・ムーア、果てはシュレックと世界中の老若男女はもちろん、架空のキャラクターまで、共演者たちの発想と春菜自身の瞬発力のある返しでバリエーションもできていった。すると、一気に仕事が増えていった。

 春菜が角野本人と初対面を果たしたのは2008年3月の「オールスター感謝祭」(TBS系)。彼女には自分が笑いのネタにしていることで、角野の俳優としての仕事の邪魔をしてはいないか、と罪悪感があった。そこで謝ろうとすると、角野の方が手を差し出し、握手をしてくれ「どんどんやってくれ」などと言ってくれたという(ヤフー「THE PAGE」14年8月16日)。

 春菜は角野への感謝とリスペクトを忘れていない。

「私もなるべく人のことをディスりたくないっていうか。『○○じゃねーよ』も自分の中で括弧がついてて。たとえば『角野卓造じゃねぇよ!』って言ったら、(あんな名脇役できねぇわ)の括弧、尊敬があるわけ。そこは自分のなかでしか言葉には出さないし、伝わらないけど」(テレビ朝日系「~凪咲と芸人~マッチング」22年1月25日)

 春菜が本当の父親よりも自分に似ているという角野に「もし私が結婚決まった際には、ホントの結婚式にも出席していただけたら」と言うと、角野は「出席させていただきます。たぶん、泣くと思います」(TBS系「サワコの朝」21年2月6日)と笑った。

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