ドラマの親子共演はうれしいけど…配役をめぐってわが家は家庭崩壊の危機だ~
ちょっと待った! 待った~!! そのキャスティング!!
「美人犯罪心理学者2~暗号資産ネットワーク~」というドラマの出演依頼がありまして……撮影は半日、シーン数は限りなく少なく、そして俺と一緒に駆け出しの俳優の息子・虎太郎もドラマに起用してくれるというので二つ返事でOK!! したのだった……。
そして、当然のことながら撮影の前に製本された決定稿の台本が届いたのです。ちなみに、映画やドラマの台本というのは製作する会社が役者の所属する芸能プロダクションに送ってくれて、それを担当マネジャーが登場シーンがわかるように付箋をつけ、さらにセリフの部分を蛍光ペンでチェックして俳優本人に渡すというのが流れになっているのです。
その流れに沿って親子出演の台本が我が家に届いたその時の模様から……。
「アレ、虎太郎と俺の台本の付箋の場所、同じ辺りじゃねェ?」「え~と、ボクは……あ! ドラマのファーストシーンだよ」「ふ~ん、俺はペラペラペラ(と台本をめくる)あっ、俺も同じシーンだ……。え~っ、1、2、3、4……9、10ってーなんだこれ、いきなり10ページって長過ぎるだろう(しまった、シーン数を少なくと要望したからたっぷりと長いシーンにされたかア!!)」「シーンの長さもビックリだけど、お父さんとボク、上司と部下の関係の役だよ」「え、そうなの、そういうの簡単そうで素の父親が出ちゃったりして案外やりにくそうだなあ……」「いや、やりにくそうじゃなくて完璧にボクやりづらいよ、これー!!」「虎太郎はそんなことないだろう? 部下なんだから上司の俺にペコペコとへりくだってるとかでいいんだから」「それが逆なんだって!」「逆?」「そー! ボクがお父さんの上司、若き社長で、お父さんはその社長秘書でつねに社長のご機嫌をうかがい、へりくだってるコメつきバッタのおじさんね」