著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

桂小枝さんがテンション爆発「大ニュース!三枝兄さんのギャラが僕のとこへ入って来てん!」

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 最初の印象とは違って気さくで、劇場帰りにたまたまお会いすると「どこ行くのん?」「立ち食いうどんでも食べようかなと……」「ええな、僕も行こ」と周囲の「小枝や小枝や」という声にも「どうも」と笑顔で応えられ普通に話をされる。楽屋で「僕らはみんなのおもちゃ的な存在やからな」と言っておられたのが印象的でした。

 20年以上も前のことですが、物静かな小枝さんのテンションが爆発する出来事が。月亭八方師匠がやっておられた「楽屋ニュース」のネタ集めの際、ある時「大ニュース! 大ニュース! 三枝(現・6代目桂文枝)兄さんのギャラが僕のとこへ入って来てん!」と興奮気味に話をしてくださいました。ウソかマコトか「1本のギャラが僕のひと月分より高いねん! どうこれ?」と話しかけてくれ「会社からすぐ“間違ってました”いう電話あったわー。対応が早い早い!」と大笑い。結局、この話は事務所からNGになりましたが、楽屋ではしばらくこの話題で持ちきりでした。「ここだけの話、いくらやったんですか?」とお聞きしても、小枝さんは「な・い・しょ」と笑って、話されることはありませんでした。

 落語家というより、タレントとしての小枝さんが前面に押し出されていますが、現在「小枝のらくご」全国ツアーで活躍中です。年を重ねられて、なお進化を続ける“小枝ワールド”。これからも、あの独特のネチっこいしゃべりを武器にマイペースで進んでいかれることでしょう。

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