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碓井広義メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授などを経て2020年3月まで上智大学文学部新聞学科教授。専門はメディア文化論。著書に「倉本聰の言葉―ドラマの中の名言」、倉本聰との共著「脚本力」ほか。

岡田将生「ザ・トラベルナース」テレ朝の新たな鉱脈になりそうだ

公開日: 更新日:

 岡田将生主演「ザ・トラベルナース」(テレビ朝日系)が始まった。トラベルナースとは有期契約で仕事をするフリーランスの看護師のこと。アメリカで普及した働き方で、主人公の那須田歩(岡田)もシカゴの病院から日本に戻ってきた。

 物語の舞台は、利益第一主義の院長・天乃(松平健)が君臨する、天乃総合メディカルセンター。

「神の手」と呼ばれる外科部長、神崎(柳葉敏郎)が稼ぎ頭となっている。

 このドラマで注目すべきは、那須田と同時に赴任してきたベテランのトラベルナース、九鬼静(中井貴一)を置いたことだろう。もう一人の主人公と言っていい。

 アメリカでは範囲が限られているとはいえ、資格を持つ看護師による医療行為が可能だ。日本ではそれができないことにイラ立つ那須田。加えて看護師を見下す医者の態度も許せない。そんな那須田に、九鬼は「医者に盾つくのはバカナース」と言い放ち、看護師としての巧みな言動で医者たちを自在に操っていく。

 また同僚である女性看護師たちが、「ナースは尊敬されない」「医者の指示がなければ何もできない」と不満をもらす。すると九鬼がやんわりと自説を語った。

「医者は病気しか治せませんが、ナースは人に寄り添い、人を治すことができる」

 制作陣は脚本の中園ミホをはじめ「ドクターX」のチーム。新たな鉱脈の発見となりそうだ。

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