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高倉文紀美少女・女優評論家

札幌市生まれ。女優評論家。Webサイト「タレントパワーランキング」(アーキテクト=https://tpranking.com/)、雑誌「日経エンタテインメント!」(日経BP社)などで女優や女性アイドルなどの取材・分析を手がける。映画パンフレット、芸能プロダクション・企業向け分析リポートの執筆も担当。note個人クリエーターページ(https://note.com/tokyodiorama/)。

門脇麦はおとなしく見えるが…爆発力と本人が無意識の色気を備えた「演技派」だ

公開日: 更新日:

 女優としての魅力をオーケストラの楽器の音色にたとえるとしたら、上白石萌音はピアノ、福原遥はクラリネット、そして門脇麦はバイオリンやチェロなどの弦楽器を思わせ、今回のバイオリンが得意な役はイメージにぴったりだ。

 バイオリンは優雅で静かなイメージがあるが、火花が散るようなダイナミックな音色を発することもある。門脇麦もおとなしそうに見えるけれど、爆発力と、本人はまったく意識していないところから醸し出す色香を秘めていて、そういう部分もバイオリンに通じる。

 門脇麦・上白石萌音・福原遥ら落ち着いていてクラシカルな存在感の女優が人気を集めているのは、混沌とした毎日に、癒やしを与える女優が求められている今の世の中に合うのだろう。

 彼女の“麦”というクラシカルな名前には、「まっすぐ育ってほしい」という両親の願いが込められている。2015年にはアサヒ飲料「六条麦茶」のCMで身長よりも高く伸びた麦の穂に囲まれて出演し、「門脇麦、本名です」というセリフが付いていた。当時、雑誌「週刊ポスト」(小学館)2015年5月22日号の取材で門脇麦にインタビューしたときには、麦茶のCMへの出演決定を両親に話すと「感謝しろよと言われました」と笑顔で話してくれた。

 30代に突入して、20代の頃からまっすぐ穂を伸ばし、じっくりと熟成されてきた演技派女優・門脇麦の魅力が、いよいよ実りの季節を迎えようとしている。

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