久保田利伸さんとBunkamuraの夜…長年のファンほど真剣に在りし日の幻影を追ってしまう
大人の渋谷のシンボルとも言われた東急百貨店本店が、1月31日に閉店した。ぼくは1967年11月オープンの同店と「同級生」。数軒隣のビルに自社オフィスを構えていたこともあり、同店にはただならぬ愛着心を抱いてきたひとりだ。だが閉店を惜しむ声も、建物の老朽化と渋谷の再開発が重なる現実の前には届かなかった。
跡地には高さ164メートル、地上36階の複合施設が建設されるという。ひゃあー、そりゃ渋谷の景観も変わるわ。目に焼きついた景色が失われていくのを見るのはつらい。新しい建物はそりゃあ素晴らしいだろうが、当分は東急本店の幻影を追ってしまうのではないだろうか。
閉店前の最後の週末、ぼくは同店に隣接する複合文化施設Bunkamuraにいた。百貨店につづいて4月から長期休館するBunkamuraだが、音楽や舞踊の公演がメインのオーチャードホールだけは、日曜・祝日を中心に営業を継続するそうだ。その日はホイットニー・ヒューストンのホログラムコンサートが催されたので、久保田利伸さんを誘って足を運んだというわけである。