進化する子役「100年史」…美空ひばりから杉田かおる、安達祐実、芦田愛菜まで
「朝ドラ」主人公の幼少期を演じる子役にスポットライトが
テレビの普及は、子役にとっても新たな時代の幕開けだった。テレビが醸し出す親近感は、純真無垢な子どもを演じる子役を人気者にした。1960年代から「ケンちゃんシリーズ」に主演した宮脇康之(現・宮脇健)などは代表格だ。
家庭が舞台のホームドラマも、子役にとっては大きなチャンスとなった。坂上忍もホームドラマで活躍した子役だ。また「パパと呼ばないで」(1972年)で石立鉄男演じる叔父に育てられる「チー坊」役を演じた杉田かおるも、その愛らしさと達者な演技力で人気者になった。
また1961年に始まったNHKの連続テレビ小説、いわゆる「朝ドラ」でも主人公の幼少期を演じる子役にスポットライトが当たった。「おしん」(1983年)の小林綾子が有名だが、さかのぼれば「鳩子の海」(1974年)の斉藤こず恵が朝ドラ最初の子役スターと言っていい。彼女は「山口さんちのツトム君」(1976年)を歌ってヒットさせたことでも知られる。
1980年代、「北の国から」(1981年)の吉岡秀隆と中嶋朋子が注目される一方で、子役のアイドル化が進む。学園ドラマ「3年B組金八先生」第2シリーズ(1980年)に出演した伊藤つかさもそのひとり。控えめだがどこか気になる生徒役を演じた彼女は、デビュー曲「少女人形」(1981年)もヒット。人気アイドル歌手の仲間入りをした。