進化する子役「100年史」…美空ひばりから杉田かおる、安達祐実、芦田愛菜まで
今年の「24時間テレビ」(日本テレビ系)のメインMCに、なにわ男子と共に抜擢された芦田愛菜。子役から大人の女優・タレントへ、ますます活躍の場を広げ、子役のイメージを変えた功労者だ。彼女が誕生するまでの経緯を、テレビと戦後日本社会の関係を研究する社会学者の太田省一氏が分析する。
これほど進学先が注目された芸能人もいないだろう。慶応義塾大学法学部への進学が報じられた芦田愛菜のことである。一挙手一投足に関心が集まる点では、やはり子役出身の吉永小百合を思わせるものがある。いったい芦田愛菜のどこが特別なのか。およそ100年に及ぶ子役の歴史から探ってみたい。
まずは、高峰秀子。1929年に銀幕デビューした高峰はこのときまだ5歳。卓抜した演技力で天才子役の名をほしいままにした。大人になってからも「銀座カンカン娘」(1949年)や「二十四の瞳」(1954年)など、長年にわたって第一線で活躍する大女優となった。
映画時代の代表的子役には、あの「歌謡界の女王」美空ひばりもいる。主演した「悲しき口笛」(1949年)や「東京キッド」(1950年)では、タイトル曲も大ヒットした。戦前における映画の名子役としては、中村メイコの存在も忘れがたい。