沢田研二が貫き切った流儀と矜持 因縁のさいたまスーパーアリーナで75歳バースデーライブ
MCで「ドタキャン騒動のリベンジができた」
今回の特別公演でのこだわりは、ザ・タイガースの再結成だったのだろう。60年代のGSアイドルの筆頭格。岸部一徳(76)、瞳みのる(76)、森本太郎(76)がゲスト出演し、WОWОWでの生中継もあり、健在ぶりを印象づけた。
とはいえ、タイガースのメンバーは5人。「トッポ」ことリードギターで、大ヒット曲「花の首飾り」のボーカルでも知られる加橋かつみ(75)は不在であった。沢田は2013年以来、10年ぶりの再結成を目指し、説得に動いたようだが……。
「加橋さんにしてみれば、『どうして沢田個人のコンサートで、タイガース再々結成をしなきゃいけないんだ?』ということだと思います。代表曲『花の首飾り』を歌っている加橋さんにとっても、タイガースは大切なものであり、プライドもあってどうしても譲れない部分もある。せっかくの機会ですし、残念ではありますが、加橋さんの気持ちは他のメンバーもよく分かっていますし、それを尊重しようということなのでしょう」(チャッピー加藤氏)
ステージでは、前半が「シーサイド・バウンド」「君だけに愛を」などタイガース時代のヒット曲を披露。後半は「サムライ」「勝手にしやがれ」などソロ以降のヒットメドレーから、自らの主義主張を込めた曲も歌い、アンコールではタイガースの名曲「ラヴ・ラヴ・ラヴ」で締めた。
「まさに、音楽人生の集大成を見せてくれました」とチャッピー加藤氏が言えば、前出の長谷川まさ子氏も「ジュリーも前回のドタキャン騒動のリベンジができたとMCで語っていました。一曲歌い終わるごとに“ありがとう。サンキュー。ありがとうねぇ”とファンに感謝を伝えていたのも印象的でした。ご本人にとっても納得のいくステージになったことでしょう」と振り返った。
自身の流儀と矜持を貫き切ったスーパースター沢田研二、一世一代のライブだった。