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桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

伊藤沙莉は9歳、小野花梨は8歳で…子役出身の「演技派女優」が今期ドラマを盛り上げる

公開日: 更新日:

「演技派」こそ最大のほめ言葉

 伊藤は天海祐希主演の「女王の教室」で志田未来のクラスメート役で出演。あのハスキーボイスは当時から。バラエティーに出演した際、伊藤は天海に「あなたが今のままでいてくれれば誰かが見つけてくれるし、誰かが認めてくれるから変わらないでね」と言葉をかけられたと語ったが、当時から光るものがあったのだろう。

 2017年の朝ドラ「ひよっこ」の米屋の「米子」で一躍ブレークしたが、その1年前には「その『おこだわり』、私にもくれよ!!」(テレビ東京系)で松岡とダブル主演していたのが懐かしい。当時2人はプライベートでも仲良しだったが、今はどうかわからない。今となっては若手実力派女優の共演はお宝映像かも。

 小野花梨は朝ドラ「カムカムエヴリバディ」でヒロインのひとり、上白石萌音演じる安子の幼なじみ、豆腐屋のきぬちゃんの印象が強い。その後、草彅剛の「罠の戦争」では政治家の私設秘書、そして「ざらり」では軽度知的障害と自閉症の有紗を演じている。

 障害があることを隠して働き始めたアルバイト先の先輩・岡村(風間俊介)と恋に落ちるという設定で、なかなか難しい役柄だが、小野は繊細な演技を披露、そのキャラは魅力的だ。

 2人とも個性的な顔立ちで、それゆえドラマがドキュメンタリーのようにリアリティーをもって見られる強みがある。いい意味で生活感がある人物に見えるのだ。

 明石家さんまが言うには、元妻の大竹しのぶは「演技派女優」と書かれることが多く、「美人女優」と書かれたことがないと怒っていたが、「演技派」こそ最大のほめ言葉ではないか。

 伊藤は次の次の朝ドラでヒロインを務める。大竹に続き、これからドラマを盛り上げてくれるのが実力派の2人ではと密かに期待している。

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