歌舞伎俳優研修出身・中村芝のぶここにあり 吉例顔見世大歌舞伎で強い印象を残す

公開日: 更新日:

 歌舞伎座昼の部は、インド神話を題材にした『マハーバーラタ戦記』。2017年に新作として上演されたものを、改作しての再演。主演の尾上菊之助以外は、キャストも一新されている。

 特筆すべきは、敵役のヅルヨウダ王女を演じた中村芝のぶだ。役者の子ではなく、国立劇場の歌舞伎俳優研修出身で七代目中村芝翫の弟子となった女形だ。普段の大歌舞伎の公演では、腰元などでセリフも少ない役しかまわってこないし、チラシに顔写真が載ることもないので一般的な知名度は低いだろう。

 最近では菊之助の新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』や『ファイナルファンタジーX』でも比較的大きな役に抜擢されたが、今回は全体の中で、菊之助演じるカルナに次ぐ、重い役に起用された。

 17年の公演では中村七之助が演じた役である。清純かと思うと妖艶で、正義の人のようでいて陰謀家という難役を、その場その場で的確に演じ分けている。

 カルナと敵対するアルジュラ王子は、前回は尾上松也が演じたが、中村隼人が抜擢された。5月の明治座以降、隼人は猿之助の代役で主役をつとめてきたが、それに続いての大役だ。野心家で戦闘的だが、苦悩するナイーブな面も持つ青年は適役。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  2. 2

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  3. 3

    三浦大知に続き「いきものがかり」もチケット売れないと"告白"…有名アーティストでも厳しい現状

  4. 4

    広末涼子が危険運転や看護師暴行に及んだ背景か…交通費5万円ケチった経済状況、鳥羽周作氏と破局説も

  5. 5

    広末涼子容疑者「きもちくしてくれて」不倫騒動から2年弱の逮捕劇…前夫が懸念していた“心が壊れるとき”

  1. 6

    芸能界を去った中居正広氏と同じく白髪姿の小沢一敬…女性タレントが明かした近況

  2. 7

    元フジ中野美奈子アナがテレビ出演で話題…"中居熱愛"イメージ払拭と政界進出の可能性

  3. 8

    中居正広氏、石橋貴明に続く“セクハラ常習者”は戦々恐々 フジテレビ問題が日本版#MeToo運動へ

  4. 9

    フジ火9「人事の人見」は大ブーメラン?地上波単独初主演Travis Japan松田元太の“黒歴史”になる恐れ

  5. 10

    佐藤健は9年越しの“不倫示談”バラされトバッチリ…広末涼子所属事務所の完全否定から一転

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    三浦大知に続き「いきものがかり」もチケット売れないと"告白"…有名アーティストでも厳しい現状

  2. 2

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  3. 3

    サザン桑田佳祐の食道がん闘病秘話と今も語り継がれる「いとしのユウコ」伝説

  4. 4

    松嶋菜々子の“黒歴史”が石橋貴明セクハラ発覚で発掘される不憫…「完全にもらい事故」の二次被害

  5. 5

    NiziU再始動の最大戦略は「ビジュ変」…大幅バージョンアップの“逆輸入”和製K-POPで韓国ブレークなるか?

  1. 6

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  2. 7

    下半身醜聞の川﨑春花に新展開! 突然の復帰発表に《メジャー予選会出場への打算》と痛烈パンチ

  3. 8

    モー娘。「裏アカ」内紛劇でアイドルビジネスの限界露呈か…デジタルネイティブ世代を管理する難しさ

  4. 9

    伸び悩む巨人若手の尻に火をつける“劇薬”の効能…秋広優人は「停滞」、浅野翔吾は「元気なし」

  5. 10

    小松菜奈&見上愛「区別がつかない説」についに終止符!2人の違いは鼻ピアスだった