加橋かつみさんが憧れたストーンズ「サティスファクション」はザ・タイガースの原点でもある
■「サティスファクション」はものすごく簡単
ただ、楽器を触ってまだ半年もたっていないわけだから、まさかコンテストで優勝するとは思ってもいなかった。出たのはアマチュアとはいっても、うまい人ばかりだったから、僕らが優勝って言われて、えっ? でしたね。インパクト、印象が強かったとか言われたりしたけど。後から聞いたら、押しかけマネジャーのミルクがコンテストの合間に楽屋裏に審査員を呼び出していたというんです(笑)。何かなければ、うまい人が集まっている大会に出て、僕らが優勝するわけないですよね。
演奏してみると「サティスファクション」はものすごく簡単。あの時代のロックシーンの中でも簡単な方だったと思います。ストーンズはメジャーのスリーコード系ですからね。基本はブルースバンドです。でも、それが画期的だった。ただ、雰囲気がないとかっこよくないというのはあるけど。それに比べると、ビートルズはものすごく複雑なコードを使っていました。
いずれにしてもストーンズもビートルズが出てきて、世界が新しくなった。ファッション的にもカルチャー的にも音楽的にもかっこよくて。ワクワクドキドキしましたね。