加橋かつみさんが憧れたストーンズ「サティスファクション」はザ・タイガースの原点でもある
いろんなことがありましたが、音楽から学んだことがあります。
タイガースの活動はアマチュア時代から数えるとたった4年ぐらいです。後から沢田を入れて5人になった。その時、第六感というのかな、頭の中でチカッと光るものがあった。このグループは何をやっても他には勝てる……。それが証拠に楽器を持ってトップになるのに1年くらいしかかかっていない。当時はザ・スパイダース、ジャッキー吉川とブルー・コメッツ、ブルージーンズといった人気グループがいたけど、彼らの間をすり抜けていきましたからね。
普通は5人いたら、5人の足し算です。ところが、タイガースは掛け算だった。掛け算してまるで核分裂みたいに破裂していく。個性がまったく異なり、一つの方向性を与えると異なる方向に向かって広がる。そんな感じ。うまく言葉で言い表せませんが。
でも、あの時は考えてもいなかったことですが、その途中で瞳が東京に行って渡辺プロと契約しちゃった。僕はプロになるつもりもなかったし事務所にも入りたくなかった。入ってみたらスケジュールは2年先まで真っ黒です。しかし、契約は2年ごとの更新でその間はどうにもならない。