「霜降り明星」せいや 高校時代の壮絶いじめを乗り越え、テレビ界のユーティリティープレーヤーに
昨年11月にそんな彼の半自伝的小説「人生を変えたコント」(ワニブックス)が出版された。発売直後の時点ですでに発行部数10万部を超えていて、大ヒットを記録している。せいや自身が高校時代に壮絶ないじめに遭いながらも、学校行事で自分が作ったコントを演じて笑わせることで、それを乗り越えていった経験がつづられている。
彼がいじめを克服したエピソードは、テレビなどでも断片的には語られていた。本人はその話の内容を「いつか本にしたい」と意気込んでいた。それが今回ついに実現したことになる。
壮絶ないじめに遭っていた少年が、周囲の人々を巻き込んでいき、笑いの力で逆境をはね返していく。あまりにも正しく、美しく、まぶしい。その少年が、のちにお笑いの世界でどんどんのし上がってスターになっていくというのも、あまりにできすぎた話だ。
明るく楽しい芸風のせいやの根底にあるのは、何があっても負けずに自分らしい生き方を貫く不屈の闘志である。その思いの強さがある限り、今後もせいやの芸人としての地位が揺らぐことはないだろう。(つづく)