「なんだか忙しい」と常に感じている人に知ってほしい「時間」に対する考え方
2つの時間軸、「クロノス」と「カイロス」
なんだか時間に追われている――。
そんなふうに感じながら日々を過ごしている人は少なくないだろう。一方で、時間の概念を知り、とらえ方を変えれば、「時間に追われる」感覚は変わるかもしれない。
今話題の読書インフルエンサーが、「世界中に存在する科学データ」や「世界中の本に教えてもらったこと」をもとに、そんな幻想でしかない「忙しさ」から抜け出すための方法を書いた『忙しさ幻想』(サンマーク出版)より一部抜粋、再構成してお届けする。
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古代ギリシャの人々は「時間」というものを、現代の私たちに比べてより深く理解していたようです。彼らは時間を2つの異なる概念で捉えていました。
それが「クロノス」と「カイロス」です。
「クロノス」とは、私たちを縛りつける「時計の時間」です。日の出、日の入り、季節の移ろい。これらの自然な流れさえも、私たちは分単位、秒単位で区切り、管理しようとしています。
「9時の会議」「15時の締切」「18時退社」
このように時間を細かく刻み、数字で切り取ることで、私たちは知らず知らずのうちに、自分たちを「時計」という名の牢獄に閉じ込めているのです。
一方、カイロスとは、「意味のある瞬間」を表す時間の概念です。
例えば、人生が変わる出会いの瞬間や心に深く響く気づきの瞬間など、時計で計れる単なる「時間」ではなく、あなたの人生にとって特別な意味を持つ「とき」。
それが、「カイロス時間」の表すところです。