興行収入2500億円で世界的ヒット中、中国アニメ「ナタ2」は日本で受け入れられるか
「人間の中にある対照的な部分が力を発揮、受容するという東洋的思想に基づいています。またナタの相棒が白龍というのはジブリの『千と千尋の神隠し』をオマージュし、日本アニメのいいとこどりになっています」
■全校で映画鑑賞“国威発揚”映画
物語は、閉塞した中国と世界を風刺。最大の敵アメリカを倒す勧善懲悪ものだという。
「全権力を掌握する悪意の権化に民衆は虐げられ、ナタは戦うのですが、ラスボスの住処は白い城(ホワイトハウス)で、敵の仙人たちが会議をする場所は8角形(ペンタゴン)。仙人が持つ護符はグリーンカードっぽく、アメリカを暗喩。いじめられているネズミは中東のガザやシリアを想起させ、ロシアを思わせるヒョウも登場します」
虐げられた中国が、敵を倒す勧善懲悪物語で“国威発揚”的側面もあるという。
「“自分の運命は自分で切り開くんだ”といった中国国内では同作を世界1位にしようという動きもあり、複数回映画館に通うだけでなく、全校で映画鑑賞に行く学級動員も行っています。そういう動きに対し、アメリカでは上映本数を減らしたり、深夜しか上映しないなど、上位ランクインを阻止する策を練っているそうです」