日活ロマンポルノ復活は毒の薄い邦画界へ“強烈パンチ”
日活ロマンポルノが復活する。映画界の大朗報である。低予算の製作費ながら、女優の裸を売りにしつつも、内容が充実していた往年のロマンポルノの傑作、名作群を思い出す。
すでに10本程度の企画が動いており、有名監督などの起用が決まっているという。最初の作品は今夏撮入で、公開は来年だ。気になるのが女優の人選だ。有名無名を問わず、裸をいとわない演技力の確かな女優の起用を期待したい。
復活の背景のひとつにはこんなこともある。昨年から今年にかけて、限定的な劇場数ながら、女優の裸やセックス描写がひんぱんに登場する映画が結構ヒットしている。
「そこのみにて光輝く」「愛の渦」「海を感じる時」「さよなら歌舞伎町」といった作品で、池脇千鶴、門脇麦、市川由衣らが堂々と脱いでセックス描写に挑戦し、演技も高い評価を得た。時代がロマンポルノ的なものを志向し始めたということだろうか。
テレビ局が中心になって映画が作られている今の映画界では、若い客層をターゲットにした毒性のまったく希薄な作品が幅をきかせている。それだけにロマンポルノ復活は強烈なパンチだ。