ヌード前夜は下着を着けずに寝るということも知らなかった
27歳くらいの頃、仕事でヌードになった。写真集「FLORE」と映画「眠れる美女」の同時の仕事。私は自分の体に全く自信がない。アイドル時代は水着も嫌がっていたのに、どうして脱いだのか、みんなに驚かれた。
最初に映画のオファーをいただいて、ベッドシーンがあると言われて断り、その後、台本だけ頼まれて読んだけれど、読んだらなおのこと、ベッドシーンが必要不可欠な作品であると分かった。中途半端に脱いだり見えないように撮るといった小細工は通用しない。だからこそ、私には出来ない、と確固たる思いでお断りさせていただいた。
それがある朝、なぜかふと、やる気になったのだ。鏡を見て、あっ、髪切らなきゃと思い立つように。今思い返しても、なぜそのような気持ちになったのか分からない。本当にその時にふと、そう思ったのだ。
ヌードの撮影は前夜、下着を着けずに寝るということも知らなかった。下着の痕が肌について、写ってしまうのを避けると聞いて初めて、そういうものなんだと思った。いざ撮影が始まると、他の仕事と同じで、裸でいることすら全く気にならない私がいた。