従来法では悪化一途 排尿困難「尿道狭窄症」の画期的治療法
尿の通り道(尿道)が細くなり、排尿が困難になる「尿道狭窄症」は、画期的な治療法があるのに、それがほとんど知られていない。防衛医科大学校病院泌尿器科・堀口明男医師に話を聞いた。
尿道狭窄症は、前立腺肥大症や膀胱がんに対する尿道内視鏡による手術の後遺症、交通事故や労働作業中の事故の外傷、先天的な尿道の疾患である尿道下裂など、さまざまな要因で生じる。
海外も含めて一般的に広く行われている治療は、尿道ブジー(金属の棒で尿道を拡張する)、尿道ステント留置(金属製のコイルを狭窄部に留置して尿道を広げる)、内尿道切開(尿道内視鏡を使って狭くなった通り道を切開する)がある。
「これらは一時的に症状を緩和する対症療法でしかありません。外来でよく行われる“ブジー”は、出血や非常に強い痛みを伴いますが、効果は2~3日、長くても1カ月程度しか持たない。あとは排尿困難な状態を我慢し、耐えられず病院を再度受診する不毛なサイクルを繰り返します。月イチの間隔でブジーを受ける人が多いです」
■形成術なら完治可能