従来法では悪化一途 排尿困難「尿道狭窄症」の画期的治療法
内尿道切開や尿道ステントでも、尿道狭窄症が治ることはほとんどない。
「むしろブジーも尿道ステント留置も内尿道切開も、狭窄してダメージを受けた尿道を無理に広げ、さらにダメージを与えるので、治療を受けるごとに尿道狭窄症をひどくしていくのです」
ホースの詰まりをよくしようと棒を出し入れすると、その都度ホースの内側に傷がつくものだ。人間の体は再生能力があるので、ついた傷は修復に向かうが、瘢痕として残る。それによって、尿道の内側が一層狭くなるのだ。
「だから、現在の一般的な治療を受けている人はすぐにやめたほうがいい。最初の狭窄をもっとひどくしてしまうからです」
堀口医師が行う尿道狭窄症の治療は、「尿道形成術」だ。やり方は大きく2つで、狭窄の場所と原因で使い分ける。
ひとつは、狭窄部分を切除して糸で縫いなおす方法(尿道狭窄部切除・尿道端々吻合術)。
もうひとつは、体のどこかから尿道の代用組織を採取して尿道を形成する方法(代用組織利用尿道形成術)。堀口医師の場合、代用組織は頬の粘膜を使うことが多い。頬の粘膜は尿道の粘膜と性質が似ており、尿道との相性が良い。頬の内側の粘膜を採取し、狭窄部分に縫い合わせて尿道の内腔を広げる。