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名郷直樹「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

大橋巨泉さんの死因はモルヒネ系鎮痛剤の誤投与なのか?

公開日: 更新日:

 しかし、緩和医療の現場において、モルヒネ系鎮痛薬の効果は絶大です。この連載でも取り上げてきたように、モルヒネによる鎮痛を含む緩和ケア全体では、最新の抗がん剤に匹敵する生存期間の延長も示されています。私自身、副作用に十分注意しながら、呼吸不全を恐れて痛みが十分にコントロールできないなんてことにならないよう、今後も多くのモルヒネ系鎮痛剤を使っていくつもりです。

 モルヒネを使わない医者はダメ医者です。その上手な使い方こそ、われわれ臨床医が問われていることなのです。「上手に使いますから大丈夫です」──。そんなふうに言って、患者さんに受け入れてもらえる医者になりたいものです。

【連載】数字が語る医療の真実

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