大橋巨泉さんの死因はモルヒネ系鎮痛剤の誤投与なのか?
しかし、緩和医療の現場において、モルヒネ系鎮痛薬の効果は絶大です。この連載でも取り上げてきたように、モルヒネによる鎮痛を含む緩和ケア全体では、最新の抗がん剤に匹敵する生存期間の延長も示されています。私自身、副作用に十分注意しながら、呼吸不全を恐れて痛みが十分にコントロールできないなんてことにならないよう、今後も多くのモルヒネ系鎮痛剤を使っていくつもりです。
モルヒネを使わない医者はダメ医者です。その上手な使い方こそ、われわれ臨床医が問われていることなのです。「上手に使いますから大丈夫です」──。そんなふうに言って、患者さんに受け入れてもらえる医者になりたいものです。