著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

肝臓がん手術件数トップの和歌山県は最下位・埼玉県の4倍

公開日: 更新日:

 ただ東京都は、がん治療に強い大病院が集中しているため、手術件数が多めに出ています。また、青森県は年齢調整死亡率が最悪であるにもかかわらず、手術件数はかなり少なめです。青森県は肝臓がんに限らず、他のほとんどのがんでも、手術数が少ない傾向が見られます。

 手術件数トップは和歌山県(63.2)。全国平均の2倍近くに達しています。最下位は埼玉県(15.6)。その差はなんと4倍です。ただ年齢調整死亡率の差は、そこまで大きくありません。

■「西」は根治を目指さずその都度手術

 実は西日本は肝臓切除手術の件数は少なめで、ラジオ波焼灼法など体にマイルドな治療が多めに行われているのです。対する東日本では、逆の傾向が見られます。

 西日本はウイルス性肝炎の感染者が多く、肝臓がんの主な原因になっているのです。ところがウイルス性の肝臓がんは再発率が高いため、根治を目指した切除術が必ずしも有効ではありません。むしろ、大きくなった腫瘍(がん細胞の塊)をその都度ラジオ波などで焼き殺すほうが体への負担も軽く、効率的なのです。そうした理由が、手術件数の多さにも反映されているわけです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」